DAI Labs、Carbon Ventures Africaより選定 ー 高精度なバイオマス分析を推進
高い信頼性を備えたカーボン・アカウンティングに向けた大きな一歩
DAI Labsは、コンゴ民主共和国(DRC)で進められている「Miombo Renewal」プロジェクトにおいて、中核となるバイオマスマッピングおよびデータ分析を提供する企業として、 Carbon Ventures Africa に選定されたことをお知らせします。 Miombo Renewalプロジェクトは、現地のコミュニティと連携しながら、コンゴ民主共和国南部に広がる劣化したミオンボ林を20万ヘクタール以上再生することを目指しています。また、50年間で4,000万メトリックトンを超えるCO₂を除去することを目指しています。
この取り組みは、 Isometricによるプロジェクト認証を直接支援するものです。Isometricは、ICVCM、CORSIA、ICROAの承認を受けた、カーボン・リムーバル分野で初の認証機関であり、科学的なdMRV(デジタル計測・報告・検証)において、市場で最も高い基準を設けていることで広く認知されています。Isometricの認証を受けるプロジェクトにデータを提供する企業として選定されたことは、DAI Labsにとって大きな節目であり、当社の分析技術が市場で最も厳格な監査基準を満たせることを実証する機会でもあります。.
技術面での優位性:なぜ衛星画像だけでは不十分なのか
従来、AGB(地上部バイオマス)の計測では、調査チームが現地に赴き、サンプルプロット内の樹木を実際に計測する方法が用いられてきました。この地上での計測方法は、多くの時間と労力を必要とするため、コストが高く、大規模なエリアをカバーすることが難しいという課題があります。
広範囲をカバーしながら、大規模な現地調査を必要としない方法として、多くのdMRVプロバイダーは衛星画像のみに依存しています。衛星画像とAIを組み合わせる手法は一般的ですが、従来の衛星ベースのアプローチでは、しばしば十分な精度を確保できません。例えば、衛星LiDAR(GEDIなど)は面的な空間連続性に欠け、高バイオマスの森林を体系的に過小評価する傾向があります。一方、光学センサーやSARセンサーは、季節変動や樹冠が密な森林による歪みの影響を受けやすいという課題があります。
DAI Labsは、 地上データでキャリブレーションしたAIモデルによって、この課題を解決します。高解像度の衛星画像と、現地で実際に収集した物理的なフィールドサンプルを直接組み合わせることで、当社の分析パイプラインは以下を実現します。
- バイオマス推定誤差を大幅に削減:
衛星データのみに依存する従来の手法と比較して、フィールド調査データを用いてモデルをキャリブレーションすることで、予測誤差を大幅に削減できます。衛星画像を実際のプロットデータに基づいてキャリブレーションすることで、密な樹冠による歪みを補正し、地域ごとのバイアスを低減します。この手法を、マラウイで実施された、同様のミオンボ林を対象とするプロジェクトで検証しました。その結果、フィールドデータによるキャリブレーションによって、ケースによってはバイオマス計測誤差を最大68%削減することができました(RMSE 48.92 Mg/haから15.51 Mg/haへ削減)。これは、標準的なキャリブレーションを行っていないモデルや、ESA CCI Biomassのようなグローバルプロダクトを上回る結果です。
この誤差を低減することで、プロジェクトのカーボン・アカウンティングに対する信頼性が高まるだけでなく、認証機関がより多くのカーボンクレジットを発行できる可能性もあります。プロジェクト期間全体では、10~20%程度の増加となる可能性があります。 - 不確実性を定量化: 独立したValidation and Verification Bodies(VVB:妥当性確認・検証機関)が必要とする、統計的に厳密で監査可能な信頼区間を提供します。
- 動的ベースラインを構築: 周辺の「ドナーゾーン」をマッピングし、時間の経過に伴う地域のパフォーマンスを評価するための、透明性のあるベンチマークを構築します。
世界のレジストリに向けた新たな基準の確立
Isometricの厳格なフレームワークのもと、コンゴ民主共和国(DRC)の厳しい地形・環境において、当社のフィールドデータでキャリブレーションしたモデルを適用することは、現代のdMRVがどのようなものであるべきかを示す機会となります。 DAI Labsは現在、世界各地の森林再生プロジェクトにこの高精度なデータ分析パイプラインを導入するため、プロジェクト開発者や主要なカーボン・レジストリとの取り組みを積極的に拡大しています。
プロジェクト開発者またはレジストリプロバイダーとして、バイオマスの不確実性を低減し、VVBによる監査を効率化したいとお考えでしょうか?ぜひ当社のdMRV分析プラットフォームについて、 お気軽にお問い合わせください 。
Isometricについて
Isometricは、顧客、投資家、規制当局が信頼する一方で、自ら検証することが難しい産業分野の申告内容を認証しています。同社のAIを活用したプラットフォーム「Certify」は、独立した検証機関と連携し、申告内容を裏付けるデータについて、サンプルだけでなくすべてのデータポイントをレビューします。これにより、従来は数か月を要していた作業を数時間で行うことが可能になります。すべての認証書は、基となるデータ、計算結果、証拠資料とともに、Isometricの公開Registryで公開されています。
Isometricはカーボン・リムーバル分野から事業を開始し、現在では1,600万トンを超えるカーボン・リムーバルの認証を受託しています。これは世界の他のどの認証機関よりも多い規模です。その後、産業排出、エネルギー、燃料、素材の分野にも事業を拡大しています。Microsoft、Anglo American、Boeing、JPMorgan Chaseをはじめ、世界200以上のプロジェクトがIsometricを信頼しています。また、ICVCM、CORSIA、ICROAの承認を受けています。詳しくは、サイトをご覧ください: isometric.com.
Carbon Ventures Africaについて
Carbon Ventures Africa(CVA)は、アフリカ大陸各地の現地コミュニティと連携し、森林が失われた土地や劣化した土地において、在来種の森林を再生しています。CVAは、現地コミュニティ、技術専門家、NGO、国際的なパートナーと協力しながら、長期的な環境・社会的インパクトの創出に取り組んでいます。CVAの使命は、野心的でありながら実現可能なものです。今後10年間で50万ヘクタールを超える森林を再生し、これはグレーター・ロンドンの3倍以上の面積に相当します。そして、2050年までに1億トンを超えるCO₂eを除去することを目指しています。


