参加レポート:JICA「森プラ会員ネットワーキング・交流会」(2026年8月6日)

「自然環境保全」と聞いて、どの様な業種を思い浮かべますか?

先日8月6日、JICA「森から世界を変えるプラットフォーム(森プラ)」主催の 「森プラ会員ネットワーキング・交流会」 に、DAI Labsも登壇企業として参加しました。本レポートでは、イベントの概要と、登壇各社の取り組み、当日感じた業界のトレンドについてご紹介します。

イベント概要

森プラはこれまでセミナーやメールマガジンでの情報発信が中心でしたが、会員からの「交流したい」という声を受け、今回初めてネットワーキング形式で開催されました。
各社によるプレゼンテーションの後、約1時間のラウンドテーブルで自由に交流する構成でした。

JICA Biz(中小企業・SDGsビジネス支援事業)のご紹介

イベントでは、JICA様より 「中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)」の紹介もありました。開発途上国の課題解決につながる技術・ビジネスを持つ日本企業を支援する制度です。

支援プログラム

  • ニーズ確認調査: 上限 1,500万円 (市場ニーズ調査や仮説検証)
  • ビジネス化実証事業: 上限 4,000万円 (現地実証、収益性・体制確認)

2026年度事業は に公示予定で、事前コンサルテーションは, 事前相談の申し込みは 8月19日まで申し込み可能とのことです。.

各社の取り組み(五十音順)

衛星データ、水処理、木材加工、大学、環境コンサルティングなど、業種も規模も異なる企業・団体が登壇しました。以下、公開情報を元にご紹介します。

株式会社アクセルスペース

高頻度衛星データを活用した森林モニタリングの可能性について

小型衛星のワンストップサービス 「AxelLiner」 、地球観測プラットフォーム 「AxelGlobe」 を提供。小型衛星と関連コンポーネントの設計・製造、打ち上げのアレンジメント、打ち上げ後の軌道上における運用支援、衛星ソリューションの提供までをトータルに手掛けています。
2026年7月には新型機 「GRUS-3」 7機の打ち上げに成功し、 地上分解能2.2m (処理技術により1m後半相当)の高精度データや Coastal Blue バンドの提供を開始しました。

★希望する連携:森林保全・防災・農業分野の政府・研究機関・企業等
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DAI Labs株式会社(弊社)

AI・衛星データを活用した自然環境分析・モニタリング技術のご紹介

弊社は SAR衛星・光学衛星・LiDAR・ドローンデータと独自AIモデル を活用し、 広域×高精度×低コストなモニタリング技術(特許出願中)を開発しています。.
当社の技術はすでにボランタリークレジットプロジェクトにおける導入実績があり、コンゴなどクレジット以外の分野でも各国でプロジェクトが進行中です。サステナビリティ分野に加え、災害対策・インフラ管理の文脈での国内展開も進めています。

★希望する連携:森林・農業分野のモニタリング技術に関心のある企業・研究機関、JCM事業化を支援できるパートナー
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日本工営株式会社

マングローブ林が提供する生態系サービスの定量評価研究と今後の展望

国内外のインフラ整備・都市開発における環境アセスメントや自然再生事業から、森林・生態系保全、脱炭素、生物多様性保全まで幅広く手がける環境コンサルティング事業を展開。
近年は 二国間クレジット制度(JCM) や自主的クレジットの活用支援など、地球規模の課題解決にも携わっています。

★希望する連携:カーボンクレジット創出事業者
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イー・アール・エム日本株式会社

ランドスケープアプローチの実践(森林組合・企業・行政・大学による共同実施体制)

サステナビリティ分野のコンサルティングファーム。 ランドスケープアプローチという手法の実践者として登壇しました。この概念は環境省も「生物多様性保全と気候変動対策の橋渡しになる重要な考え方」と位置づけています。
同社は国内で自然資本評価やネイチャーファイナンスの分野でも実績があります。

★希望する連携:ネイチャーポジティブ・自然資本に関心のある企業・研究機関
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栗田工業株式会社

水と環境のクリタ ~共創で描く自然環境保全と社会課題解決~

水処理薬品・水処理装置・メンテナンスの3事業を柱とする企業。リチウムイオン電池対応型消火薬剤・消火資器材などの開発も行っています。

★希望する連携:自然環境の把握から改善・社会実装まで共創できるパートナー
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一般社団法人日本森林技術協会

森林から実現するネイチャーポジティブ ― 海外での事例

1921年(大正10年)創立、100年以上の歴史を持つ森林・林業分野の技術者団体。森林施業・資源管理・環境保全に関する調査研究やコンサルティング事業を国内外で展開し、近年はICT関連事業にも取り組んでいます。

★希望する連携:AI等先端IT技術やリモートセンシング技術を持つ企業
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株式会社マーベルコーポレーション

森林資源の天然木材への防腐・防蟻加圧注入処理技術

独自開発の保存薬剤 「マーベルウッドAZ」で国産材の耐久性を高め、台湾へ輸出。
学生木造コンテストへの協賛や阿里山での公共施設採用など、台湾での実績を拡大中です。

★希望する連携:海外での現地生産・製造工場建設に向けたパートナー
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住友林業株式会社/東京大学

インドネシア西カリマンタンにおけるマングローブ保全・再生事業

2023年にインドネシア・西カリマンタン州のマングローブ事業地(BIOS社)を完全子会社化。
伐採を行わず、高品質な ブルーカーボンクレジット の創出を目指しています。

★希望する連携:環境価値の評価・購入に関心のある研究機関・企業・金融機関
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東京学芸大学

音楽でつなぐ森林と未来(クラリネットの木材資源を題材にした環境教育)

クラリネットの素材である アフリカン・ブラックウッド(タンザニア産)の希少性をテーマに、演奏と森林保全を結びつける活動を展開。
2025年6月にはJICA地球ひろばで70名超によるクラリネット合奏イベントも開催しました。

★希望する連携:森林保全・環境教育の専門家、教育機関

業界トレンド

9社の発表を聞きながら感じた、業界共通の潮流は大きく3つありました。

  1. 衛星データやリモートセンシングによるモニタリング技術への関心
  2. ブルーカーボンや生物多様性クレジットなど、環境価値の定量化・社会実装への挑戦
  3. 森林組合・企業・行政・大学・地域住民を巻き込んだ多主体連携の広がり

自然環境保全は、もはや一社で完結するテーマではありません。

立場の異なるプレイヤーが連携するのは、情報の共有や状況の可視化だけでも決して簡単ではないはずですが、行政・企業・地域といった多様な主体を巻き込みながら、着実にプロジェクトを前に進めている事例をいくつも見ることができ、良い刺激をもらいました。

ラウンドテーブル

ラウンドテーブルのセッションでは、興味深い数多くの対話がありました。

国内外でのプロジェクトがそもそもどのように始まったのか、どういったステークホルダーを巻き込んでいったのかなどのお話から、AI開発の技術的な部分まで、踏み込んでお話しできる機会が多く、とても嬉しく感じました。

また、技術者の方、コンサルタントの方、JICAの様々な部署の方など、立場の異なる皆さんが同じテーブルを囲んでいたこともあり、連携の可能性をあちこちで感じられる、充実した時間になりました。

おわりに

- 異なる業種のプレイヤーが集まり、対話から連携の芽が生まれる -

そんな場を設計してくださったJICA森プラ事務局の皆様、会員の皆様に感謝申し上げます。今後のイベントもとても楽しみにしています。

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